架空のキャラクターの衣装や、メイド服・ナース服などを着ていつもと違う自分を楽しむ「コスプレ」。
日本ではディープな趣味とされていた時代もありましたが、今や誰もが楽しめる文化として姿を変えつつあり、その市場規模は250億円(2021年時点)に達しています。
一体コスプレはいつ生まれ、広がっていったのでしょうか?
日本のコスプレの歴史、そして世界各国のコスプレ文化についてもお伝えします。
コスプレ文化の起源は江戸時代!?
コスプレの起源は諸説ありますが、主に2つの出来事がルーツとされています。
1つ目は、江戸時代に流行した集団参詣や民衆踊りです。これらの集団の中に「なにかに扮装する人」が多く見られたとされています。
有名なものは、江戸時代末期に起こった民衆運動「ええじゃないか」。男性は女装し、女性は男装し、狐や七福神の仮装をする人もいました。
また同じ時代に京都では、当時売れっ子の芸妓たちが決めた演目に合わせて仮装し、祇園の町一帯を夜通し練り歩く「ねりもの」という行事もありました。
2つ目は、アメリカの「世界SF大会」です。SF作品やファンタジー作品のファンが集まるこのイベントでは、1960年代後半頃からキャラクター風の衣装で参加する人が現れるようになりました。このイベントに影響を受けた日本にも、その後コスプレ文化が広がるようになったとされています。
コスプレ文化の歴史と、主な出来事は?
時代ごとにさまざまな出来事が影響し、広まっていったとされるコスプレ文化。
その背景を振り返ってみましょう。
【1970年代〜1980年代】コスプレ文化の誕生と浸透
先ほどお伝えした通り、現在の形に近いコスプレ文化は「世界SF大会」から日本に輸入されたと言われています。その後、1970年代から日本でもコスプレを楽しむ人々が増えはじめ、1980年代後半には盛り上がりも顕著になってきました。
代表的なコスプレイベントにはおなじみ「コミックマーケット」があり、現在のような漫画やアニメなど幅広いコンテンツのコスプレイヤーの姿がみられました。特に、衣装が比較的簡単に用意できる「キャプテン翼」が人気を博し、コスプレイヤー増加にも起因したようです。
また社会では富士フイルムの「写ルンです」が普及。コスプレの衣装を着るだけではなく、撮影するという楽しみ方も広がっていきました。
【1990年代】コスプレ文化の加速
1990年代、コスプレ文化はさらに拡大していきます。
コスプレ専門業者やコスプレ専門雑誌も登場するようになったこの頃、爆発的大ヒットを遂げたのが「新世紀エヴァンゲリオン」です。日本の新たなる国民的アニメが誕生し、コスプレ界隈にも大きな影響を与えました。
またハロウィンが流行してきたのもこの頃です。1997年から東京ディズニーランド内で仮装できるハロウィンイベントや、川崎市開催の「カワサキハロウィン」などがはじまり、一般層におけるコスプレ需要も増えていきました。
【2000年代】一般層におけるコスプレ文化の普及・加速
コスプレ文化の広がりは衰えず、一般層にも順調に浸透していきます。
この時代はインターネットが急速に普及し、コスプレ関連の情報収集や交流、露出の機会が増えていきました。
さらに「ガンダム」「NARUTO」「ONE PIECE」「鋼の錬金術師」「涼宮ハルヒの憂鬱」「けいおん!」など社会現象になるアニメも続々と登場します。
2000年代初頭には常設の「メイドカフェ」が登場、さらに一般層への大きな起爆剤となった「渋谷ハロウィン」もこの頃から存在しはじめたとされています。
こうした出来事が積み重なり、誰もがコスプレを気軽に楽しめる社会が形成されていきました。
【令和現在】ディープにもライトにも楽しめる大衆文化へ
現在では、アニメや漫画への愛情表現としてはもちろん、「いつもと違う自分」を楽しむ大衆文化として幅広く受け入れられるようになりました。
一時期はコロナ流行の影響で自粛せざるを得なかったものの、これからはイベントの開催も増え、活気を取り戻していきそうです。
世界各国のコスプレ文化の違い
ここからは、世界のコスプレ文化にも触れていきます。
コスプレは世界各地で発展していますが、特に日本、アメリカやヨーロッパなどの欧米、韓国・中国などの東アジアでの成長がめざましく、それぞれ特徴を紹介します。
【日本】衣装制作や写真における技術が高い
アニメや漫画、ゲーム、小説などの幅広いジャンルのコスプレに積極的な日本。
手先が器用とされる日本人は、自作の衣装や小道具を作る技術が高い傾向にあるようです。
またポージングや写真撮影・加工の技術も高く評価されています。
代表的なコスプレイベントには「コミックマーケット」「世界コスプレサミット」「東京ゲームショウ」があります。
【欧米】国民性を活かして楽しむ
日本にコスプレ文化をもたらしたアメリカは、SF映画やドラマ、コミックなどのジャンルのコスプレが盛んです。また既存の形にとらわれないユニークな衣装で人々を楽しませる、エンターテイナーな一面もあります。
一方ヨーロッパでは、中世やルネッサンス時代に見られる衣装や、民族衣装を着用するなど、歴史と伝統を重んじたコスプレが特徴的です。
代表的なコスプレイベントには「コミックコン」「アニメエキスポ 」「世界SF大会」「ジャパン・エキスポ」「ECG」があります。
【東アジア】美容大国ならではの完成度の高さ
近年でコスプレ文化が急速に広まっている東アジア圏。アニメや漫画のコスプレはもちろん、アイドルグループのコスプレも人気ジャンルです。
またメイクやダイエットといった美容面への熱量が高く、ビジュアルのクオリティの高さは随一です。
代表的なコスプレイベントには「中国国際デジタルエンターテイメント産業博覧会」や「ワールドコスプレサミット」「コミックワールド」があります。
今後のコスプレ文化の成長にも目が離せない!
それぞれの時代、それぞれの国でコスプレ文化は大きく進化してきました。
そして今後も、新たな歴史を刻む力を秘めているかもしれません。
みなさんも熱気溢れるコスプレの世界に、ぜひ飛び込んでみてはいかがでしょうか。
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